金銭の要求が止まらない
いつまでこんな生活が続くのか・・・
初めて彼の要求を退けた日、思いもよらないことが起こる。
「お前を不幸に陥れてやる」
一瞬、何が起こったのか理解できなかった。今までの口調とも違う、まるで別人がしゃべっているかのようだった。白目をむき、こちらに顔を向けることなく、私に罵詈雑言を浴びせ続ける。
お前は不幸になる、友達を片っぱしから殺す、神様は見ている、天罰が下る、拒否したらどうなるかわかってるのか、などと、かれこれ30分はしゃべり続けていた。私の呼びかけにも反応するが、違う人としゃべっているような感覚。
だれだこいつ
そしてひと通りしゃべり終えると、いつもの彼に戻る。
あれ?俺なんかしゃべってた?
ホラーかよ
身の危険を感じた私は、これが最後だと言い、彼にお金を渡す。
パチンコ代が手に入ると、ご機嫌になり、いつもの彼に戻る。
しかし、最初にお金を渡した時点で、私と彼との関係は破綻している。あの時に追い出し、実家に帰していれば、お互い平和に暮らしていたように思う。彼を甘やかし、豹変させてしまったのは、自分の責任。だけど、私もどうすればいいのかわからず、次第に彼の言いなりになってしまう。
この人は多重人格者なのか。そしていつ出ていってくれるのだろうか。別人の彼はさらに言動が激しく、物を投げてきたり、自殺しようとしたりとむちゃくちゃだ。
身の危険を感じ、自分のメンタルまでやばくなりそうだと感じた私は、ついに禁じ手を使う。